この記事では、奈良市最大のお祭『春日若宮おん祭』のお渡り式の日程・アクセス・みどころについて書いています。
奈良市最大の祭と言われるだけあり、毎年12月17日は奈良市公立の幼稚園・小・中学校は約2時間で下校し、子ども達は12時から始まるおん祭のお渡り式に参勤したり、歴史の勉強も兼ねて見学に行ったりしています。
若宮様の歴史と春日若宮おん祭
若宮様とはアメノオシクモネノミコト様
1003年に本殿の第三殿アメノコヤネノミコト様と第四殿ヒメガミ様の御子神アメノオシクモネノミコト様は、本殿で5番目の神様として、しばらくの間ヒメガミ様と一緒に第二殿と第三殿の間の獅子の間にお祀りされていました。
しかし、大雨洪水により飢饉が相次ぎ、疫病が蔓延したので、関白藤原忠通が万民救済を若宮様にすがり、1135年2月27日、現在地に本殿と同じ規模の神殿を造りました。
若宮社は、天下国家の安泰を祈願する神社として創建されましたが、同時に個人の願いをも御聞き届けされた初めての神社として有名です。
おん祭の始まりは1136年
1135年には、アメノオシクモネノミコト様の神殿『若宮』が造られ、翌年(1136年)9月17日、春日野の御旅所に御神霊をお迎えして丁重なる祭礼を奉仕したのが、おん祭の始まりです。
御旅所の写真です。
1136年から始まった『春日若宮おん祭』(毎年12月15日~18日)は、長雨、洪水も治まり晴天が続いたので、それからは五穀豊穣・万民安楽を祈り大和一国を挙げて盛大に執り行われました。
コロナで規模は縮小されたものの、一度も途絶えることなく2023年の今年は888回を迎えます。
神前に奉納される数々の神事芸能は国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
主役の若宮様に1年に1回の外出を楽しんでもらえるよう、私たちがたくさんの神事芸能を奉納します。
わかりやすくいうと、若宮様はお誕生日パーティーの主役で、みんなで歌や踊りを踊り、若宮さまを楽しませるというイメージです。
春日若宮おん祭で使われている初代鼉太鼓は源頼朝が寄進
元ガイドさんのお話で、春日若宮おん祭で使われている初代鼉太鼓は将軍源頼朝が奉納し、昭和50年までずっと使われていました。
現在の2代目は笹川さんが、彫刻家の森さんに依頼をされ奉納し、国宝殿で展示されています。
流鏑馬定式(7月1日)
若宮様の祭礼 #春日若宮おん祭 は7月1日の流鏑馬定から始まります。(中心神事は12月15〜18日)
明治維新迄は毎年6月1日に興福寺の別会の五師の坊に集まり、その年の流鏑馬を定める事を以て「御祭礼事始」としていました。
御旅所縄棟祭(10月1日)
10月1日午前11時よりが斎行されました。春日若宮の例祭「春日若宮おん祭」の中心神事は12月15日~18日ですが、若宮様がお遷りになる御仮殿の縄棟祭が行われ屋形が組み上げられました。
12月17日に向けて少しずつ組み上げられる仮御殿をお楽しみください。
#春日若宮おん祭 の行事のひとつ「縄棟祭」が午前11時より斎行されました。
若宮さまがお遷りになる御旅所の御仮殿の起工式で、代々「春日縄棟座」として大柳生の片岡家が奉仕されます。
雄松52本と縄52尋を用いて屋形を組みあげ、その前へお供えを献じて御幣を奉ります。#春日大社 #春日若宮 #奈良 https://t.co/Zc8ykGmU4Q pic.twitter.com/1GRshsw72D— 春日大社 kasugataisha shrine (@KASUGASHRINE) October 1, 2024
差定之儀
【差定之儀】
午後4時より、摂社 若宮の例祭である「#春日若宮おん祭」にご奉仕いただく「#日使 (ひのつかい)」を正式に決定する「差定之儀」が執り行われ、若宮様にご奉告いたしました。
「奉」という字を本年の日使が差定状に書きます。
12月になると精進にはいります。 #春日大社 #春日若宮 #奈良 pic.twitter.com/FmVt313HAn— 春日大社 kasugataisha shrine (@KASUGASHRINE) October 23, 2024
装束賜式
毎年、春日若宮おん祭でご奉仕する子ども達をはじめとする参勤者に、花山院宮司から参勤辞令の交付と各々の装束が手渡されました。
12月17日の晴れの舞台迄の間、精進(4つ足は食べない等)して心身の清浄をはかる大事な期間に入ります。
【春日若宮おん祭】いよいよ始まります。
12月15日17時 大宿所祭
12月16日16時 宵宮祭
12月17日
0時 遷幸の儀
1時 暁祭
12時 お渡り式
14時半 御旅所祭
23時 還幸の儀
12月18日
13時 奉納相撲
14時 後宴能#第888回春日若宮おん祭 #大和一国を挙げての祭礼 #春日大社 #春日若宮 #奈良 pic.twitter.com/ThUPHtfISl— 春日大社 kasugataisha shrine (@KASUGASHRINE) December 15, 2023
大宿所祭(12月15日)
奈良市内現在11℃
本日は「大宿所詣&大宿所祭」
御渡りは13時頃にJR奈良駅出発して
各商店街を周りセンター街内大宿所へ大宿所では
われわれが「のっぺ汁」をつくり
正午(予定)頃から振る舞い開始
このあと9時から戦闘開始
さてうまく行くことやら…ステキな金曜日を
— もちいどのセンター街【公式】 (@mochiidono_ss) December 14, 2023
12月15日には、お渡り式で着られる衣裳や使われる道具を大宿所にて見ることができます。小学校では、おん祭について調べたりすることもあるので、大宿所に行かれてみてはいかがでしょうか。
「大宿所詣」 行列
奈良商工会議所に集合し、JR奈良駅~大宿所の行列(約 2.5km、 1時間半) に参加できます。
大宿所では御湯立神事に参列できます。 (食事、 着替え時間あり)
◯12月15日(金) 午前10時~午後4時
白足袋(可能なら着物、襦袢) が用意できる成人
しみんだよりのQRコードを読み込んで11月21日までに申し込み。 多い場合は抽選
2024年11月しみんだより
12月17日のお渡り式とは
おん祭は、若宮様のもとへ、芸能集団や祭礼に加わる人々が参勤する行列の事をいいます。
12月初めに時代行列のお渡り式に参加する稚児や神子(みこ)に装束を授与する「装束賜式(しょうぞくたばりしき)」が春日大社で行われます。
2020年から、おん祭の様子をネット配信されていますので、見に行けない方々にも、国の重要無形民俗文化財にも指定されている神事を、見ていただく事ができるようになりました。
おん祭の当日までは、四つ足の動物は食べずに身を清めるため、稚児に選ばれた子どもは給食から主に牛、豚は省いた給食を食べたり、お弁当を持参する子もいます。
同じく12月初めに春日大社参道では、蓮根奉納行列も見られます。
おん祭の日の郷土料理付「のっぺい付粥」
春日荷茶屋で(春日大社表参道バス停を東へ徒歩3分、萬葉植物園正門横)
12月16・17日のみ 1,540円(税込)
春日若宮おん祭特別御朱印授与のお知らせ
本年より、春日若宮おん祭の期間中(12月15日~18日)に特別御朱印を授与いたします。
初穂料500円 夫婦大国社授与所(9時~16時30分)にて紙での授与となります。
また、12月15日の10時頃から18時頃まで大宿所(奈良市餅飯殿町)にて、
12月17日の10時頃から16時頃まで御旅所前の特別授与所においても授与する予定です。
おん祭期間中にお参りいただきどうぞお受けください。
奈良市を挙げて執り行われるおん祭のお渡り式は、約1,000人の参勤者と50頭の馬が、春日大社参道内にある御旅所まで歩く行列で、沿道のたくさんの方々から歓声や拍手があがるなど、とても賑わいます。
11時半~試しの儀
12月17日11時半頃からは奈良公園登大路園地で、行列の準備が整ったことを報告とお祓いを受ける『試しの儀』が行われ、奈良公園登大路園地にも特別桟敷が設けられます。
12時~お渡り式
そして12時頃、奈良公園登大路園地から出発した行列は、近鉄奈良駅に向かい油阪を通り、JR奈良駅前から三条通りを抜けて、一の鳥居を入り、春日大社参道内の若宮様のおられる御旅所へと練り歩きます。
上の地図をダウンロードできます。
春日若宮おん祭特別桟敷席の御案内
2024年春日若宮おん祭桟敷席販売
春日若宮おん祭特別桟敷席(登大路園地桟敷席)
2,000円(観覧席代含む)※大人、こども同額です。
春日若宮おん祭特別桟敷席(松の下式桟敷席/南席)
4,500円(観覧席代含む)※大人、こども同額です。
春日若宮おん祭特別桟敷席(松の下式桟敷席/北席)
4,500円(観覧席代含む)※大人、こども同額です。
春日若宮おん祭特別桟敷席(お旅所前桟敷席)
10,000円(観覧席代含む)※大人、こども同額です。
完売でなければ当日でも購入ができます。
影向之松
日本の芸能史と言われる春日若宮おん祭では、御神前に奉納される数々の神事芸能は国の重要無形民俗文化財に指定されています。
影向之松は、教訓抄という書物によれば、能舞台の鏡板に描かれている松の絵のルーツ、御旅所祭の芝舞台が芝居の語源とされています。
雨の場合
【令和4年春日若宮おん祭「お渡り式」雨天中止について】
正午からのお渡り式は雨天が予想されるため中止いたします。なお、お渡り式は中止となりましたが三条通りの交通規制は実施されます。
また、御旅所祭は13時より斎行いたします。令和4年12月17日 午前8時
春日大社https://t.co/f6riFwJXQy— 春日大社 kasugataisha shrine (@KASUGASHRINE) December 16, 2022
あいにくの雨により正午からのお渡り式は中止となりました。
「上のお渡り」とよばれる春日若宮おん祭保存会会長、願主役を勤める大和士をはじめ約20名のみで一之鳥居から御旅所までを歩きました。#第887回春日若宮おん祭 #春日大社 #春日若宮 #奈良 #お渡り式 pic.twitter.com/2XmfqNxgum— 春日大社 kasugataisha shrine (@KASUGASHRINE) December 17, 2022
2022年は雨のため子供大名行列は、11時半頃~東向商店街と餅飯殿商店街を歩きました。
12月17日の交通規制
本日正午より 春日若宮おん祭<お渡り式> が斎行されます。
奈良県庁前広場を出発し、若宮様のいらっしゃる御旅所まで総勢千余名が古式に則り都大路を練り歩きます。
なお、それに伴う交通規制が実施されますのでご協力のほどお願い申し上げます。#第888回春日若宮おん祭 #大和一国を挙げての祭礼 pic.twitter.com/kn4RIhanYg— 春日大社 kasugataisha shrine (@KASUGASHRINE) December 17, 2023
変更になる路線バス
[1] 市内循環・内回り(※運休中は、[2] 市内循環・外回りをご利用ください)
- 近鉄奈良駅の発車時刻が11:30~12:00の便は、JR奈良駅止めに変更します。
- 近鉄奈良駅の発車時刻が12:00~13:20の便は、運休します。
[22] 県立図書情報館・[136] 白土町
- 11:00~18:10の間、県庁前には停車しません。(近鉄奈良駅始発に変更します)
[51] [61] [62] [92] [124] JR奈良駅(東口) ・[78] 奈良県総合医療センター・[98] 法隆寺前・[48] 学園前駅・
[22] 県立図書情報館・[79] シャープ前・[135] [136] 白土町・[86] イオンモール大和郡山・[19] 杏中町
- 12:00~時代行列通過(13:30頃)までの間、油阪船橋商店街には停車しません。
変更となるバス乗り場
【県庁前③のりば(西向き車線)】
- 11:00~18:10頃(おりば使用禁止)の間、[22]県立図書情報館行は停車しませんので、近鉄奈良駅からご利用ください。
- 11:55~13:00頃(時代行列通過完了まで)の間、使用できなくなるため、東(手前側)へ約100mの所で乗降扱いします。
(行先:[94] [118] [153]JR奈良駅西口/ [51] [61] [62] [82] [124]JR奈良駅/ [1] 市内循環内回り/ [78] 奈良県総合医療センター/ [98] 法隆寺前/ [ぐるっとバス大宮通りルート] 大和西大寺駅南口)
【近鉄奈良線おりば(西向き)】
- 11:30~13:30頃(時代行列通過完了まで)の間、使用できなくなるため、通過し、のりばで降車扱いします。
(行先:[94] [118] [153]JR奈良駅西口/ [51] [61] [62] [82] [124]JR奈良駅/ [ぐるっとバス大宮通りルート] 大和西大寺駅南口)
【近鉄奈良駅(8)(9)(11)(12) のりば(西向き)】
- 12:00~13:30頃(時代行列通過完了まで)の間、使用できなくなるため、高天交差点付近の道路上に設置する臨時乗降場で乗車扱い(出入りは横断歩道から)します。
(行先:[94] [118] [153]JR奈良駅西口/ [51] [61] [62] [82] [124]JR奈良駅/ [1] 市内循環内回り/ [22] 県立図書情報館/ [48] 学園前駅/ [78] 奈良県総合医療センター/ [98] 法隆寺前/ [79] シャープ前/ [86] イオンモール大和郡山/ [135] 白土町/ [28] 恋の窪町/ [161] 学園前駅/ [ぐるっとバス大宮通りルート] 大和西大寺駅南口) - [ITM] 大阪空港行12:00発、13:00発 は停車しませんので、JR奈良駅または大和西大寺駅南口からご利用ください。
【近鉄奈良駅(14) のりば(西向き)】
- 12:00~13:30頃(時代行列通過完了まで)の間、使用できなくなるため、[19] 杏中町行は、高天交差点付近の道路上に設置する臨時乗降場で乗車扱い(出入りは横断歩道から)し、[14] [115] [209]JR奈良駅西口行は、高天交差点北側(⑬のりば向かい側)で乗降扱いします。
【油阪船橋商店街(3) のりば(南向き)】
- 12:00~14:00頃(時代行列通過完了まで)の間、使用できなくなるため、通過します。乗降はJR奈良駅をご利用ください。
(行先:[51] [61] [62] [82] [124]JR奈良駅/ [1] 市内循環内回り/ [22] 県立図書情報館/ [48] 学園前駅/ [78] 奈良県総合医療センター/ [98] 法隆寺前/ [19] 杏中町/ [79] シャープ前/ [86] イオンモール大和郡山/ [135] 白土町)
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お渡り式の並びについて
中心は平安時代から江戸時代に至る風俗を満載した伝統行列です。おん祭が始まった頃から「楽人・日使・巫女・伝供御供・一物・細男・猿楽・競馬・流鏑馬・田楽」は整えてられており、時代の流れに応じた姿を見せるのがこのお渡り式です。
行列の並びは、
第一番「日使」(ひのつかい)
おん祭を創始した関白・藤原忠通が大和に行くことができなくなり、供の楽人に自分の装束を着けさせ、その日の使いをさせました。
これにより若宮様の御神前で祝詞を奏上するという大変格式の高い重要な役柄の『日使』には、日本の経済界を代表する方々が参勤されています。
第二番「神子」(みこ)
春日社家の祖、中臣時風、秀行兄弟が鹿島より大和に来られた際に、住居をどこにするかを神様にお伺いしたところ、榊を投げて落ちた辰市村が住居になりました。
辰市村を中心とした旧神領より選出していた辰市神子が平成15年より復興され、社家の故地・辰市村から出る辰市神子(たついちのみこ)をはじめ、八嶋神子(やしまのみこ)、郷神子(ごうのみこ)、奈良神子(ならのみこ)など、大社の近隣から選ばれた神子たちが参勤しています。
第三番「細男・相撲」(せいのお・すもう)
『浄衣(じょうえ)』(白い衣)姿に清浄感を漂わせる6人の細男一座です。神功皇后の伝説に因む独特な舞いを演じる集団として知られています。
影向の松の下では、頭屋児に向かい、馬上で袖の拝(肘を張り深々と頭を下げてお辞儀)をしています。
細纓老懸(さいえいおいかけ)の冠に赤や緑の袍(ほう)を着た十番力士行司・支証が続きます。
第四番「猿楽」(さるがく)
猿楽は能楽の古名で、もとは観世・金剛・宝生を含めた大和猿楽四座が出仕し、おん祭はその格式高い競演の場として、後に続く田楽一座も盛んに能を演じていた時代があったため、今もこの名が受け継がれています。
松の下式では『開口(かいこう)』、『弓矢立合(たちあい)』、『三笠風流』が演じられ、御旅所入口では金春大夫が『埒明け(らちあけ)』を行います。
第五番「田楽」(でんがく)
猿楽に続いて田楽座の芸能が披露されます。
行列の先頭を行く華やかな五色のご幣は、頭屋児を前にして押し立てられ、綾藺笠(あやいがさ)をつけ、編木(ささら)・笛・太鼓を持った集団が田楽座です。
奈良一刀彫りの起源といわれる人形を飾った大きな花笠を頭上に乗せた笛役の二藹(ろう)は人目を引きます。
おん祭で行われる芸能のうちで最も興福寺と深い関係をもってきた芸能集団で、 かつては祭礼当日までのさまざまな行事に加わっていました。
今でも16日は春日大社本殿と若宮社への宵宮詣、17日にはお渡りに先立ち初宮神社(市内鍋屋町)への初宮詣と、松の下・お旅所と各所で芸能の奉納をされています。
第六番「馬長児」(ばちょうのちご)
もとは興福寺学侶が輪番で頭人となり稚児を出していたと言われ、山鳥の尾を頂に立てたひで笠をかぶり、背中に牡丹の造り花を負った騎馬の美しい少年が馬長児です。
後ろには、五色の短冊をつけた笹竹を持ち、龍の造り物を頭にのせ、腰には木履を一足吊り下げた従者が二人ずつ歩いています。馬長児はお渡り行列の一つの中心でした。
第七番「競馬」(けいば)
馬出(まだし)の橋と馬止(まどめ)の橋は、興福寺三綱から出され五双(二騎ずつ五回)が参道を疾走していたその時のスタートとゴール地点です。
現在は馬出橋から出発し、お旅所前の勝敗榊まで競い、競馬の勝敗により左舞の蘭陵王と右舞の納曽利の順番が決められます。
第八番「流鏑馬」(やぶさめ)
大名行列が御旅所入りした後、2時半ごろから流鏑馬が始まります。
稚児の流鏑馬ともいえるものは、かがり火をたいて夜中に催され、この前に行われた競馬の勝負の舞として舞楽が奉納されたそうです。
揚児(あげのちご)を先頭に都合三騎の稚児が、一の鳥居内の馬場本を祝投扇(いわいのなげおうぎ)の所作後走り出し、一の的より三の的まで順次射ながら進んでいき、矢が放たれると周りの方々から拍手が起こります。
第九番「将馬」(いさせうま)
人が乗っていない馬です。
将馬とは、かつて大和の大名家中より奉った引き馬の名残で、神前に馬を献じた古い習わしを示しており、崇敬者からの奉納馬だそうです。
第十番「野太刀」他(のだち)
5.5メートルほどもある見事な大型の野太刀を先頭に中太刀・小太刀・薙刀(なぎなた)・数槍(かずやり)など、太刀・槍のいわばオンパレードで、お渡りではひときわ目をひきます。
第十一番「大和士」(やまとざむらい)
射手児を先頭に流鏑馬を奉納した大和武士の伝統を受け継いでいるのが、願主(がんしゅ)役・御師(おし)役・馬場役 ・大和士などの一団です。
おん祭はもとは興福寺衆徒が主宰でしが、衆徒(僧兵)国民(武士)が、若宮祭礼流鏑馬願主人を名乗り、おん祭全体の主催者のようになりました。
豊臣秀吉の全国制覇で壊滅してからも、六党の一つ長谷川党の法貴寺氏人が願主人に仕立てられ、さらに明治維新後は旧神領の人々がこれを勤めて現在に至っています。
かつて流鏑馬を奉納した大和武士の伝統を受け継いでいるのが、願主役・御師役・馬場役をはじめとする大和士の一団です。
お渡り式に先立ち、前日の16日には若宮社に宵宮詣ですることでも知られます。
第十二番 「大名行列」(だいみょうぎょうれつ)
お渡り式の最後尾を飾る「大名行列」は江戸時代の参勤交代の道中行列のことで、平安時代に始まったおん祭の中では比較的新しいものです。
戦後は太秦から映画俳優を呼んでいたため、大和の伝統的な大名行列を復興したいと、昭和54年に奈良市内の青年達の手によって大名行列保存会が結成されました。
今では子供大名行列・南都奉行(大人)・郡山藩(大人)の行列も整えられ、「ひ~よ~いやなぁ」「いぃよいま~かせ~」「ぇ~やっこらさぁのさぁ」の掛け声と道具の受け渡しが行われる様は、お渡り式の最後をしめくくるにふさわしい行列です。
受け渡しをするタイミングですが、子供大名行列の場合は棒頭が腕を上げて回すのが合図です。
大人の大名行列は、棒頭が、「ひ~よ~いやなぁ」という掛け声をすると受け渡しをする合図で、それまでは静かに歩いています。
子供大名行列と同じこの衣装は大名行列『郡山藩』
この衣装は紺色(白と水色の襟がない奴)と茶色の奴は『南都奉行』になります。
頭にハチマキを巻いていないのが大人の大名行列になります。
おん祭保存会よりお知らせ
若宮おん祭は、昭和五十四年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。これを契機に春日若宮おん祭保存会が結成され、祭礼の装束、用具の整備、廃れた儀式の復興をはかってまいりましたが、この壮大な祭礼を執り行うには年々莫大な費用を要しております。わが国最古の芸能祭として、国の誇りと申しても過言でない、若宮おん祭が年々充実、発展し、次世代に正しく伝えてゆく為に、ひとりでも多くの方々のご理解、ご支援を切にお願いいたします。
保存会年会費 正会員(3,000円以上)/特典=おん祭当日の松の下式、御旅所祭参列券をお渡しします。
入会ご希望の方は、春日大社内 おん祭保存会事務局までお問合せください。
おん祭保存会入会の案内より引用しました。
春日若宮おん祭保存会事務局(春日大社内)
〒630-8212 奈良市春日野町160
電話 0742-22-7788 FAX 0742-27-2114
奈良公園周辺のトイレ案内
春日大社境内案内図(トイレ)
今、おられる辺り(御本社(大宮)から紀伊神社や、一之鳥居から御本社(大宮))などをクリックすると詳しい地図が見られます。
まとめ
- 若宮様とは第3殿アメノコヤネノミコト様と第4殿ヒメガミ様の御子神アメノオシクモネノミコト様
- 1136年に、春日野の御旅所に御神霊をお迎えして丁重なる祭礼を奉仕したのがおん祭の始まり
- 12月17日のお渡り式とは御旅所におられる若宮様を楽しませるための伝統的な衣装を着た行列で、11時半から試しの儀、12時からお渡り式が始まる
- 交通規制がかかるので、見に行かれる方は公共交通機関を使う
- 12月15日の大宿所にはお渡り式で着られる衣裳や使われる道具を見ることができる
- 十二番大名行列は江戸時代の参勤交代の行列のことで、大名行列保存会によって、子供大名行列・南都奉行(大人)・郡山藩(大人)の行列が整えられた
- 影向之松は、教訓抄という書物によれば、能舞台の鏡板に描かれている松の絵のルーツ、御旅所祭の芝舞台が芝居の語源
- おん祭保存会年会費 正会員(3,000円以上)/特典=おん祭当日の松の下式、御旅所祭参列券がもらえる
最後まで読んでくださりありがとうございます。
一度も途切れず880年以上続いてきたおん祭が、後世にも引き継がれずっと続きますように。
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